- 2026年11月7日
- 2026年9月23日
歯茎から膿が出る原因と治療法|歯周病だけではない?放置する危険性と歯を残すための治療
「歯茎から膿が出てくる」「歯茎に白いできものがある」「膿が出ると痛みが楽になる」――このような症状で悩んでいませんか?
歯茎から膿が出る場合、歯周病だけが原因とは限りません。
歯の根の先に炎症が起こる「根尖性歯周炎」や、歯の根にひびが入る「歯根破折」など、歯の内部に原因があるケースもあります。
特に、以前に根管治療(神経を取る治療)を受けた歯から膿が出ている場合には、歯の根の中に細菌感染が残っている可能性も考えられます。
今回は、歯茎から膿が出る主な原因と、それぞれの治療法について詳しく解説します。
歯茎から膿が出る主な原因
1.歯周病による膿
歯茎から膿が出る原因として、まず考えられるのが歯周病です。
歯と歯茎の境目にプラーク(歯垢)が蓄積すると、歯茎に炎症が起こります。進行すると歯周ポケットが深くなり、その内部に細菌が増殖して膿がたまることがあります。
歯周病の場合には、
・歯茎が腫れている
・歯磨きすると出血する
・口臭が強くなった
・歯が動くようになった
・歯茎が下がってきた
などの症状を伴うことがあります。
歯周病治療では、歯石やプラークを除去し、毎日のプラークコントロールを改善することが基本となります。日本歯周病学会も、歯周病治療において日常的なブラッシングによるプラークコントロールが重要であるとしています。(Perio)
2.歯の根の先に膿がたまる「根尖性歯周炎」
もう一つ重要なのが、歯の根の先に炎症が起こる根尖性歯周炎です。
深い虫歯などによって歯の神経に細菌感染が起こると、最終的に神経が壊死し、歯の内部に細菌が残ることがあります。
その細菌が歯の根の先から外へ出ることで、根の先に炎症が起こり、骨の中に膿がたまることがあります。
日本歯科保存学会では、歯髄が壊死した後も歯の内部に細菌が残り、根の先から周囲の組織に影響が及ぶことで根尖性歯周炎が成立すると説明しています。(保存)
この場合、
「歯茎にニキビのような白いできものがある」
「そこを押すと膿が出る」
「膿が出ると一時的に腫れや痛みが引く」
といった症状が現れることがあります。
この白いできものは、膿の出口である「フィステル」の場合があります。
3.過去に根管治療をした歯の再感染
以前に神経を取る治療をした歯から膿が出ている場合には、根管治療後の再感染も考えられます。
根管は非常に細く複雑な形をしているため、内部に細菌が残っていたり、治療後に隙間から細菌が侵入したりすると、根の先に再び炎症が起こることがあります。
この場合、単純に歯茎の膿を出すだけでは原因を取り除いたことにはなりません。
重要なのは、膿が出ている「場所」ではなく、なぜ膿ができているのかという感染源を特定することです。
4.歯の根が割れている「歯根破折」
歯の根にひびが入ったり、歯根が破折したりすることでも、局所的な炎症や膿が生じることがあります。
特に神経を取った歯では歯質が少なくなっている場合があり、噛んだときの強い力などによって歯根破折が起こることがあります。
歯根破折が疑われる場合には、レントゲンやCTなどを用いて状態を確認し、歯を残せる可能性があるか慎重に診断する必要があります。
歯茎から膿が出たら、どうやって治療する?
治療方法は原因によって大きく異なります。
歯周病が原因の場合
歯周病が原因であれば、
・歯石除去
・プラークコントロール
・歯周ポケットの清掃
・必要に応じた歯周外科治療
などを行います。
歯周病治療では、歯科医院での処置だけでなく、毎日のセルフケアを継続することが重要です。(Perio)
根の感染が原因の場合
根尖性歯周炎が原因の場合には、**感染根管治療(根管治療のやり直し)**が必要になることがあります。
感染した根管内部を清掃・消毒し、再び細菌が侵入しないように根管を封鎖します。
根管治療は歯を抜かずに保存するための重要な治療の一つです。日本歯科保存学会も、歯内療法を歯を保存するための治療分野として位置づけています。(保存)
根管治療だけでは改善しない場合
根管治療を行っても病変が改善しない場合には、原因や歯の状態を再評価します。
必要に応じて、歯根端切除術などの外科的歯内療法が検討されることもあります。
実際に日本歯科保存学会の症例報告でも、感染根管治療と歯根端切除術などを組み合わせた治療が行われています。(保存)
「膿が出たから治った」は間違い?
これは非常に多い誤解です。
膿が出ることで歯茎の圧力が下がり、一時的に痛みや腫れが軽くなることがあります。
しかし、膿が出なくなったことと、原因が治ったことは同じではありません。
根の内部に細菌感染が残っていれば、再び膿がたまる可能性があります。
そのため、
「膿が出たから様子を見よう」
「痛みがなくなったから大丈夫」
と自己判断せず、歯科医院で原因を調べることが大切です。
歯茎から膿が出たら、まず何をする?
歯茎から膿が出た場合には、まず歯科医院で診察を受けましょう。
診断では、口腔内の状態だけでなく、レントゲン撮影などによって歯の根や周囲の骨の状態を確認します。
必要に応じてCTなどを使用することで、通常のレントゲンだけでは分かりにくい病変の位置や広がり、歯根の形態などを確認できる場合があります。
特に、
・何度も同じ場所から膿が出る
・神経を取った歯から膿が出る
・根管治療をした歯が腫れる
・歯茎に白いできものがある
・噛むと痛い
・レントゲンで根の先に黒い影がある
といった場合には、歯の根の感染が関係している可能性があります。
歯茎から膿が出ても「歯を残せる」可能性があります
「膿が出ているから、もう抜歯するしかない」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、膿が出ているという症状だけで、抜歯が必要と決まるわけではありません。
歯の根の感染が原因であれば、適切な根管治療によって歯を保存できる可能性があります。
もちろん、歯根破折や重度の歯周病など、保存が難しいケースもあります。
だからこそ重要なのは、膿を止めることだけではなく、膿が出ている原因を正確に診断することです。
まとめ
歯茎から膿が出る原因には、歯周病だけでなく、根尖性歯周炎、根管治療後の再感染、歯根破折など、さまざまな可能性があります。
特に、根管治療を受けた歯から繰り返し膿が出る場合には、歯の根の内部に感染が残っている可能性があります。
「膿が出たから治った」と考えず、原因を確認することが大切です。
レアリゼ歯科クリニックでは、歯をできるだけ残すことを大切にし、必要に応じてマイクロスコープやCTなどを活用しながら、根管内部の状態を詳しく確認します。
歯茎から膿が出ている方、根管治療を何度も繰り返している方、抜歯を勧められたものの「できれば歯を残したい」と考えている方は、まず現在の歯の状態を正確に診断することから始めましょう。
