予防歯科とは
以前は、「歯が痛いから歯医者に行く」という患者様が多かったといわれています。しかし、予防歯科の重要性が徐々に広がっていき、現在は「歯の健康な状態を保ち、悪くならないように歯医者に行く」という考え方が定着しつつあります。このような予防歯科が根付いてきたため、高齢になっても歯を残せるケースが増えています。当クリニックでは、定期歯科健診をはじめ、フッ素塗布、専門的なブラッシング指導、PMTCなどを通じて予防歯科診療を行っております。
定期健診を受けましょう
虫歯や歯周病の早期発見・早期治療には、定期的な歯科健診が欠かせません。当クリニックでは、虫歯などの治療を受けた患者様に対し、定期的に「定期歯科健診のご案内」のハガキを送付しております。主に下表のようなチェックを行いますので、きちんと定期健診を受けられるようお勧めします。
- 虫歯のチェック
- 歯周病のチェック
- 口腔内の健康状態を確認
- 入れ歯やインプラントなどの異常チェック
- 歯並びのチェック(主に小児期の患者様)
- フッ素塗布
- ブラッシング指導
- 唾液検査
- PMTC など
フッ素塗布
フッ素には、歯質を強くし、虫歯菌が出す「酸」に対する抵抗力をつけてくれる働きがあります。とくに、乳歯や生え変わったばかりの永久歯は虫歯になりやすいので、フッ素塗布が効果的です。虫歯ができる最初期の段階ならば、その原因部分の修復を促し、虫歯のリスクを減らすこともできます。日常的にフッ素入りの歯磨きを使うだけでなく、定期的に歯科医院を受診し、歯科のプロフェッショナルによるフッ素塗布を受けるようにしましょう。
PMTC
PMTCとは、「Professional Mechanical Tooth Cleaning(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」の略であり、日本語に訳すと「歯科医師などが専用の器具を用いて行う徹底した口腔内清掃」という意味になります。歯と歯の隙間、歯と歯ぐきの境目などは歯垢が溜まりやすく、普段の歯磨きでは不十分なケースが少なくありません。そのため、歯科医師・歯科衛生士によるPMTCが必要となるのです。
子供の歯お悩みQ&A
マタニティ期~0歳(歯が生えるまで)
- 虫歯になってしまいました。妊娠中でも治療して大丈夫ですか?
- 歯の治療は受けられますが、初期はつわりがある場合はつらく、後期は仰向けで治療を受けるのが大変です。安定期(妊娠5~7か月)に治療を受けるのが適しています。ただ、妊娠の時期によっては麻酔や投薬などを避けた方がよい場合がありますので、必ず妊婦であることを歯科医へ伝えてください。
- 初めての歯が生えるのって、いつ頃ですか?
- 一般的には生後8か月頃から乳歯は生えはじめますが、赤ちゃんによって生える順番や時期には個人差があります。歯の生えはじめが多少遅くても、心配ありません。あまりに遅くて心配でしたら、一度歯科医院で相談してください。
0~2歳(乳歯が生えたら)
- ハミガキ剤ってやっぱり使った方がよいのでしょうか?
- 歯垢(プラーク)を効率よく除去したり、フッ素入りのものは虫歯予防に効果があるので、お水を吐き出せるようになったら、切った爪程度の少量のハミガキ剤をつけて磨きましょう。いろいろな味があるので、楽しい習慣として上手に活用してください。
ただし、飲み込まないように注意してあげましょう。
- 甘いおやつは、虫歯の原因になるので与えない方がよいですか?
- 虫歯の原因になりやすいですが、お子様の楽しみのひとつでもあります。
大切なのはダラダラ食べさせないこと。糖分が長く口の中にあることで虫歯のリスクも高まるため、時間や回数を決めて食べるようにしましょう。
虫歯が気になる場合はシュガーレスのものを選ぶとよいでしょう。
3~5歳(乳歯が生え揃ったら)
- 歯科医院でフッ素を塗ってくれると聞いたのですが、塗った方がよいでしょうか?
- 歯科医院で塗るフッ素は歯の質を強くし、虫歯のリスクも軽減するので、できるだけ塗った方がよいです。かかりつけの歯科医院に相談してみてください。
フッ素は歯の再石灰化を促進して虫歯予防に効果的なので、毎日の歯みがきにはフッ素配合のハミガキ剤を使いましょう。
- 乳歯は生え替わるから、虫歯になっても気にしなくて大丈夫?
- 虫歯ができたら必ず治療しましょう。
乳歯の虫歯が進行して根の先に病巣がある場合、永久歯の歯質に影響することがあります。
その他にも虫歯などが原因で乳歯を早期に抜くようなことになると、永久歯の生える場所が狭くなり、歯並びが悪くなる原因に。
毎日のケアと歯科医院での定期的な健診が大切です。
6~12歳(永久歯が生えてきたら)
- 生え替わり期って、グラグラしている歯や抜けている部分があるから、磨くのが難しい。上手な磨き方を教えてください。
- この時期は乳歯が抜けたり永久歯が生えはじめたりと、お口の中は凸凹状態。未成熟な永久歯は虫歯になりやすいので注意が必要です。
凸凹している部分は歯ブラシを縦に当て上下に細かく動かして磨きましょう。奥歯は背が低く溝が深いので歯ブラシを斜めから入れて、かみ合わせの部分を毛先で丁寧に磨くのがコツ。奥歯の後ろ側を磨くのも忘れないようにしましょう。
- 子供の歯みがき時間が短く、磨き残しが気になります。磨き残しを少なくするためには、どのように教えたらよいでしょうか?
- きちんと歯垢を落とすためには、1か所20回以上磨く必要があることや、生え替わり時期に歯垢が残りやすいところ(生えている途中の奥歯・凸凹した歯並び)をよく磨くように伝えてあげるとよいでしょう。